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今年のゆるっとSalesforceトーク全12回で発表したことまとめ

こんにちは。木村です。今年ももう終わりますね。

弊社ではゆるっとSalesforceトークというイベントを毎月開催しています(基本的には第2水曜)。特に意識していなかったのですが、ちょうど今年の1月から始めており、今月の開催でちょうど12回目となっていました。ちゃんと毎月開催できていました👏👏👏

この記事では全12回の振り返りをしていきたいと思います。

1年間それなりにおもしろいSalesforce開発ネタを話してきたので、今年1年のSalesforce開発トピックの振り返りにもお役に立てるのではないかと思います。

ちなみにこちらの記事はSalesforce Advent Calendar 2022にカレンダー2を追加した手前、もうちょっと埋める努力をしようと、Advent Calendarの21日目にも参加させていただいています。

ゆるっとSalesforceトークとは?

ゆるっとSalesforceトークは以下の2つの理由から始めたイベントです。

  • イベントもオンラインで社外の人と交流する機会がなくなって寂しい。

  • 弊社エンジニアに発表の経験を付けさせたい。

構成としては、弊社メンバーからSalesforceネタを一つ発表して、その後余った時間で(発表内容を肴に)ちょっと雑談しましょうという流れにしています。

ただ、ちゃんとしたイベントは運営し続けられる気がしないので、元々社内で行っていた社内勉強会をただ公開するくらいの心持ちと準備で行っています。名前も「ゆるっと」と付けて雑さに対する予防線を貼っていますw

ゆるゆるイベントですが、よろしければ以下のグループのメンバーになって来年のイベントにご参加ください。


では、全12回を振り返っていきましょう!

#1 Slack CLIの紹介

さて記念すべき第一回は、2021年11月に発表された新しいSlack CLIをネタにしました。

これは何がうれしいってSlackアプリのホスティングができるようになりました。今まではSlackアプリを作るにはFirebaseやHerokuなどをバックエンドに用意する必要があったのですが、それが必要なくなります!

残念ながら初回は公開用資料を作っていませんでした。詳細は以下のサイトをご覧ください。

当時もベータでしたが、12月現在も残念ながらまだベータですね。正式リリースが待ち遠しい。

#2 Spring '22ピックアップ

第2回はSpring '22リリースノートのピックアップです。各メンバーが一つずつ気になる機能を紹介しました。元々社内でもリリース前にリリースノートの輪読会をしていたので、それの延長です。

第2回は公開資料をちゃんと作っていました。

2GPのancestorVersionにHIGHESTが設定できるようになりました。最初からこれだけでよかったんじゃ…

フローは毎回どしどし機能が追加されますね。Spring '22ではフロートリガーエクスプローラなどが追加されました。

オーケストレータはいつの間にかフローオーケストレーションという名前に変わりましたが、GAはSpring '22でした。

#3 LWC wireのベストプラクティスについて話そう

第3回は趣を変えて時事ネタではなく、「LWC開発で悩みがちなwireの実装についてみんなで議論してみよう」という会でした。

以下のようなネタについてベストプラクティスを考えました。公開資料がないのですが、当時のメモから少し転記しておきます。

  • wireで実行順を制御する方法は?Promise.allしたいときは?
    →Apexだけならwire使わない方がいい。uiAPIのときはどうしよう。

  • wireのコールバック関数を使わずに済むケースはいつ?
    →エラーハンドリング用のコンポーネントを作るとけっこう使える。(参考: LWCのエラーハンドリングのベストプラクティスを考える - Qiita

  • 複数メソッドでrefreshApexしたいときどうするの?
    →当時のメモに要検証と書いてる😓

#4 LWC SOQL Builderの紹介

LWC SOQL Builderというのは、前に私が社内ハッカソンで作ったSOQL構築/実行Webツールです。手前味噌ですが、第4回はこのツールを紹介しました。

自分が欲しくて作ったツールでほんとに便利なのでぜひ使ってください。
説明記事も貼っておきます。

#5 LWCテストハンズオン

第5回はLWCのテストコードの実装のハンズオンを開催しました。またちょっと趣向が変わりました。こちらの内容は以下のハンズオン記事として公開しており、そのまま試せるようになっています。気になる方はぜひ試してみてください。

#6 Summer '22リリースノート輪読会

またリリースの季節が来ました。第2回のピックアップして説明するのは各自の負荷が高かったので、元々社内でやっていたスタイルに戻しました。

以下のようにQuipに気になるリリースを箇条書きで挙げて、当日一つずつ話していくというスタイルです。

画面フローをSlackから呼び出せるとか画期的ですよね。あとは大きいリリースだとDevOps Center。我々はAppExchangeベンダーなのであまり使う機会はないですが、組織ベース開発もだいぶモダンになりそうです。

#7 AppExchange App Analytics

第7回はAppExchange App Analyticsです。これはAppExchangeアプリの利用状況データを提供する機能です。提供までなので分析するにはCRM Analyticsなどを使う必要があるのがちょっと面倒なところです。

こちらは後日記事に起こしていますので、詳細は以下の記事をご覧ください。

#8 Salesforce Code Builder

第8回はDreamforceでの発表以来、私の中では待望だったSalesforce Code Builderです。ただ、残念ながら開発者コンソールを置き換える立ち位置のツールであり、AppExchangeアプリ開発には向いてなさそうだなという結論でした。

こちらも後日記事として公開していますので、詳細はこちらをご覧ください。この頃からイベント後に記事を公開するスタイルを確立し始めました。

#9 Package Visualizer

第9回はPackage Visualizerです。第二世代パッケージ(2GP)の管理ツールで、一番便利なのは転送アップグレードが画面上から実行できることです。2GPで一番厄介なのは転送アップグレードだったので助かります。

#10 Winter '23リリースノート輪読会

第10回は三度リリースノート輪読会です。意外とすぐリリースが来るんですよね。

今回はちゃんと記事を書きました。Winter '23はPub/Sub API、GraphQL API、LWRあたりが大きめのリリースでしょうか。以下のような地味に便利な機能も多数リリースされていました。

  • LWCでモーダルコンポーネントが追加

  • フローでIN句検索が可能に

  • フローで数式ビルダーが利用可能な箇所が増えた

  • LWCに画面フローを埋め込めるようになった

やっぱりフローは力が入れられていますね。

#11 Flow for Slack

第11回はSummer '22でリリースされたSlack連携のうちフローと連携する機能を取り上げました。一緒くたに紹介しましたが、以下の2つの機能が含まれています。

  • フローからSlackへ通知する(フローコアアクション)

  • Slack上で画面フローを動かす(Flow in Slack)

それぞれまとめ記事を書いていますので、ご覧ください。

Slackへの通知は前からできたのですが、AppExchangeアプリも不要になり、Salesforce標準機能だけで設定が楽にできるようになりました。

Slack上で画面フローを動かすのはまだ機能が足りなそうなのですが、可能性を感じる機能です。承認依頼をSlack通知して、Slackから画面フローで作った承認画面を起動するなんてことができます。

#12 Saleforce Code Analyzer

今年最後のネタはSalesforce Code Analyzerでした。元々あったツールなのですが、v3がリリースされました。v3の目玉はSource Code Scanner(Checkmax)にかなり近づいたCRUD/FLSチェックができるようになったことです。セキュリティレビューにひっかかりにくいコードが書きやすくなりそうです。

おわりに

あんまりがんばって人を集める気もないので、ぶっちゃけそんなに参加人数は多くないですし、誰も来ない回すらあるのですが、元々社内勉強会の公開版くらいの気分なのでそのときは普通に社内勉強会をしています。

この無理をしない姿勢が功を奏してちゃんと1年間毎月続けられたのだと思います。

社外の人と交流するのが増えたのも意図通りでよかったのですが、エンジニア育成の観点でもこの取り組みは以下のようなよい効果がありました。

  • エンジニアに比較的気軽な発表の機会が与えられた

  • 技術記事を書くトレーニングも積めるようになった(後半からは記事も書くようにしたので)

エンジニアってなんだかんだと説明したり文章を書く機会が多いので、発表や記事を書くのはその訓練にとてもよいのですよね。

もちろん元々社内勉強会の意図である技術情報のキャッチアップという意味もあるので、一石二鳥にも三鳥にもなる取り組みになっています。

ということで「ゆるっとSalesforceトーク」は来年も引き続き開催していきます。新年一発目は1月11日(水)16:30Spring '23リリースノート輪読会を開催します!

ゆる〜く運営していますが、このまとめ記事でご覧いただいた通り内容はそれなりにしっかりしていますので、参加しても損はしないと思います。雑談とありますが、聞くだけでも歓迎ですので、ぜひお気軽にご参加ください。以下からグループに参加すると開催通知が飛ぶようになります。

では、また来年のゆるっとSalesforceトークでお会いしましょう!