小さく始めるつながり作り〜Tシャツ作りで気づいたインナーブランディングの工夫〜
みなさんの会社には、Tシャツ、ありますか?
そのTシャツを最後に着たのは、いつですか?
もしかすると会社から配られたTシャツは、着るように言われなければ着ない、という人がほとんどかもしれません。
せっかく作るならみんなが「着たい」と思えるようなものを作りたい。いや、そこまでは言わないけど、せめて「着てもいいかな」くらいには思ってもらいたい。
そんな思いでTシャツを作っていたら、インナーブランディングは小さなことからも始められるんじゃないかと気が付きました。
今回は、会社のTシャツ作りを振り返って得られた気づきのご紹介です。
Tシャツを作ることになったきっかけ
きっかけは、展示会で着る“社名ロゴ入りTシャツ”の追加発注について、ミーティングで話しているときでした。
そんな軽いノリで始まった会話が、次のミーティングでは議題の一つへと発展し、
複数名のチームで作ろう
チームは持ち回りにして、毎年1枚ずつ新しいTシャツを作ろう
デザインのテーマは、チームが主導して決めよう
…という形でTシャツ係が発足。初代の係員はエンジニアの花畠さん、カスタマーサポートの藤原さん、そしてマーケティングの私・青木の3名となりました。
どうせ作るならメンバー同士の「つながり」を表現できるものに
もともとあったTシャツは、無地のコーポレートカラーの生地に社名ロゴをのせたシンプルなデザイン。セミナー登壇や展示会のブース出展など、主に特別な行事のときに着ていました。
でも、今回作るTシャツは、特別じゃない普段の仕事中も着られるようなものにしたいという想いがありました。
私たちの会社はフルリモートで離れて仕事している分、コミュニケーションをとても大切にしていて、メンバー同士のつながりを作る工夫をいろいろおこなっています。
コミュニケーションに関する取り組みについての過去記事はこちら👇
だから、Tシャツもみんなとのつながりを演出するアイテムとして使えないかと考えたのです。音楽ライブやスポーツ観戦で、みんなで同じユニフォームを着ると一体感が生まれる。そう、まさにそんな感じで。
どんなTシャツなら、普段の仕事中でも着てもらえる?
当社はフルリモートなので服装の自由度が高く、お客様とZoomでミーティングするようなことでもない限り作業がしやすい楽な服装を選びたくなるのは事実。
仕事着として「着てもいいかな」と思ってもらうにはどうすればいいのだろう…そのためには着心地とデザインの2つがポイントではないかと、私たちTシャツ係は考えました。
まず着心地の良さ。
私たちは普段の仕事のほとんどがPC作業です。特にエンジニアさんの場合は、作業の際には高い集中力が必要です。
今回作るTシャツは、仕事中に着ることはあくまで任意。服装が自由な中で“あえて”会社のTシャツを選んでもらうためには、仕事への集中を妨げない着心地の良さが必要ではないかと考えました。
薄くて軽い生地から厚手でしっかりした生地まで、いくつかを検討し、最終的にドライ素材(ポロシャツのようなサラッとしたメッシュ生地)のものを選びました。
そしてデザイン。
リモートワークとはいえ休憩でちょっとコンビニへ行くこともあれば、気分転換に近所を散歩することもあるでしょう。自宅ではなくコワーキングで仕事する日もあるかもしれません。そんなシーンを考えたときに、
社名がドーン!
…というデザインでは宣伝色が強すぎて、普段の仕事着としてはちょっと使いづらいのではないかと思ったのです。かといって、会社とまったく関係のないデザインにしてしまっては身もふたもありません。
実は、まだTシャツを作ることが正式に決まる前、私はあるアイデアをSlackの雑談チャンネルに投稿していました。
「もし私がデザインするなら、こうかなぁ」
休憩時間に気分転換で作ったデザインモック。それは、会社のスローガンである「Happy Work! Happy Life!」をあしらったものでした。スローガンなら社名が前に出すぎず、同時に、みんなとのつながりを表現できるんじゃないかと考えたのです。
このスローガンは会社のスローガンであること以上に、私個人としても大切にしている考え方であり、私が「co-meeting で働いてみたい!」と思ったきっかけの一つでもありました。
※スローガンについて語りたいことはたくさんあるのですが、ここでは割愛します。もしよろしければ、過去のnote記事をご参照ください👇
どうせ働くなら、楽しんで、人生「得」しちゃおう|株式会社co-meeting
Slackに投稿した時点ではあくまで私個人の思いつきでしたが、Tシャツ係発足後に改めて検討したうえで、晴れて正式採用となりました。
こうしてデザインの方向性は決まりましたが、
フォントの種類
Tシャツに置いたときのレイアウト
生地の色との相性
…など、考えなければいけないことは他にもあります。
手持ちのTシャツを参考にしてみたり、Canvaでモックアップを作ってみたり。係の3人とも「Tシャツをデザインする」こと自体が初めてでしたので、ああでもない・こうでもないと悩みつつ、でも、同時に楽しみながら制作は進んでいきました。
想いは人それぞれ。だけど「重なる部分」があるから一緒に働いている
「スローガンをデザインに使ってはどうか」という私の提案。みんなが賛同してくれたのは純粋にうれしかったのですが、一方では不安な気持ちもありました。
私は会社のスローガンが大好きで、個人的な思い入れも強い方だと思います。けれど、強すぎることでごり押しのようになり、別の案を出しづらい雰囲気にしてしまったのでは…と不安になったのです。
「スローガンをTシャツのデザインに使うこと」についてどう感じたのか。Tシャツ作りが終わった後、係の花畠さん・藤原さんに、改めて聞いてみました。
藤原さん
仕事に対してやりがいや楽しさを感じることで、日々の生活が豊かになり、それが生活の幸福度を上げることにもつながると思っています。 仕事以外の、趣味や家族との生活時間が充実していると、それが仕事へのモチベーションにもつながります。 仕事と生活。どちらも大切なので、どちらもバランス良く楽しみながら挑戦していきたい。 これから何年たっても「Happy Work! Happy Life!」の気持ちは忘れずにいたいと思っているので、今回はスローガンをモチーフにしたTシャツを作ることができて良かったです。
花畠さん
どうせ働くなら楽しく働きたい。そして家族・生活も大事にしたい。ストレスも、良い意味でのストレスとして、自分をごまかさないレベルでポジティブに捉えていきたい。 それが心の余裕にもつながるんじゃないかと思っています。 「生きてるだけで丸儲け」とか「人生楽しんだもん勝ち」とか「ケセラセラ」とか、似たようなニュアンスの言葉はいろいろとありますが、これらの言葉も私は好きです。 ものごとをネガティブに捉えることはいくらでもできますが、逆に言えば、自分次第でポジティブに捉えることもできるはずじゃないかなと。 自分のためにも、周りの人のためにも、心の中ではいつも「Happy Work! Happy Life!」を意識していきたいと思っています。
私はTシャツが完成できたことと同じくらい、Tシャツ作りを通じて花畠さん・藤原さんの想いを聞けたことをうれしく感じました。
仕事や会社に対する想いは人それぞれですし、それでいいと思います。でも、スローガンに対する想いを改めて聞いて「人それぞれだけど、どこかでみんなと重なっている部分があるんだな」と感じられたことが、私はうれしかったのです。
「小さなつながり」を積み重ねていく大切さ
フルリモートワークの会社で働いていると、ときどき、こう聞かれることがあります。出社には出社の、リモートにはリモートの良さがそれぞれあると思いますが、いずれにせよ大切なことは
コミュニケーションを取るためにちゃんと工夫をすること
…ではないかと私は思います。そして「工夫」とは、なにも特別なものだけではありません。
大きなイベントごとを企画しなくても、今回のTシャツ作りのようにちょっとしたきっかけがメンバー同士のつながり作りになることも多いと思います。
もちろん、いろんな施策を企画・実行することも大切ですが、普段の業務の中で「小さなつながり」を一つずつ積み重ねていくこともまた、インナーブランディングにとっては大切なのではないかと、今回のTシャツ作りを振り返って感じました。
Tシャツ作りは持ち回り制で、来年以降も毎年1枚ずつ、新しいTシャツが作られていく予定です。来年はどんなTシャツが作られるのか、今から楽しみです。